「子どもの頃の思い出は輝いて見える」なんていう人がいますが、俺はあまりそうは思えません。

「人生は後悔の連続」という人もいて、どちらかというとそちらに共感を覚えるタイプです。

ただ、ある瞬間、そのときにしか感じられない「熱」のようなものがあって、
子どもの頃に感じたその熱を思い出したとき、心地良いような、少し寂しいような、懐かしさを感じます。

子どもの頃、他の家に遊びに行ったとき、
自分の家とは違う独特の文化のようなものに触れ、戸惑いを覚えたこと。

嫌なことへの向き合い方どころか、自分が何が嫌で何が大切なのかが上手く整理できず、
今思うとわけのわからない行動をしてしまったこと。

主人公の子ども時代の回想と、
子ども時代にあったこと全部が今の自分につながっているという感覚が生々しくつづられています。

自分が子どもだった頃の、なにかグチャグチャした感覚と重ね、浸ってしまいました。


今年読んだ中で一番の作品です。
ぜひ主人公のひと夏の体験、そして読後の余韻を味わってみてください。

コメント

人蓋
人蓋
2015年9月18日1:28

僕もナー島の領主を使っていた昔の自分には疑問を覚える時がありますね。
でも、今になってその頃に感じてたものが尊いものだということに気付きました。

プロクト
2015年9月18日7:13


人蓋さん、過去の自分を全肯定してそうで怖い。
書き忘れたけどジャンルはサイコスリラーです。

金属細工師
2015年9月18日16:14

まるで青春、純愛小説とかの感想っぽく書かれてて笑うw

プロクト
2015年9月18日16:39

>金属さん
嘘は言ってない。
評判通り、最低の後味でした。でも読んで良かった。

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